2019.9.25 見えないと「見ない」

回を重ね、高1の皆さんにはすっかりお馴染みとなった「キャリア教育」。文系の学問領域を探究しよう!という目的で、今回は日本大学国際関係学部国際総合政策学科の髙橋力也先生をお招きして、特別講義をしていただきました。「国際関係って何だろう?~キミのスマホから世界が見えてくる~」と題して行われた講義では、高1にも分かりやすい内容に噛み砕いて、先生が国際関係学について指導してくださいました。

恐らく生徒たちの中でも一番印象に残ったのが、コバルトの話だと思います。我々が利用し、既になくてはならない存在とも言うべきスマホ(スマートフォン)。このバッテリーの材料となる金属に「リチウムイオン」があります。このリチウム電池を作るには、コバルトという原料が化合物として必要です。ただ、このコバルトは、「レアメタル」と呼ばれる希少性の高い物質で、発掘できる鉱山も非常に限られています。

世界シェアの6割を超えるコバルトが採掘されるコンゴという国では、これを集める作業をするための児童労働が社会問題となり、世界から批判の的とされています。就学する年齢にもかかわらず、学校教育そっちのけで労働させられ、識字や計算もままならない状態で放置されています。加えて、有毒ガスを吸い込む危険が伴う深い穴を掘り進めての作業ですから、ガス中毒になったり崩落により生き埋めになったりすることも少なくないとの説明でした。小さい少年たちが、懸命に穴を掘り石とコバルトとを選り分ける画像は、生徒たちにも強烈なリアリティを感じさせたようです...

何も考えずに、便利なスマホをいじり倒しているだけでは、こんな真実が隠されていることに気づくことはできません。そこに目を向けようとする。すなはち「不都合な真実に目を向けることが国際関係学である」との教えは、私たちに大切な視点を授けていただくものとなりました。

物理的に、日本を離れ地球の裏側を見ることは難しいかもしれません。しかし、だからといって「見えない」と片づけるのは間違いなのでしょう。何が起こっているのか?日本と異なる事情があるかもしれない!そう考え調べることは、日本に居ながらにしてもできるはずです。「目を向けよう≒見よう」とする意識を持たないことは、見えないのではなく見ないこと。それを教えてくれる大変有意義な講義でした♪