招き猫先生の『ことちか日記』H27 4/20

今週も中学1年生たちは、宮沢賢治「注文の多い料理店」を読み進めつつ、国語学習のイ・ロ・ハを学んでいる。

daruma

吾輩が、今回こだわって進めてみたいなと考えていることの一つに「国語辞典の活用」がある。

まあ、「わからない言葉があれば辞書を引く習慣をつけましょう」というのは、巷でよく言われるセリフである。
ただ注意しなければならないのは、「辞書を引く」「調べた内容をノートなどに書き写す」この取り組み自体が目的になってしまうことが多いということだ。

真面目な子であればある程、マメに調べてきれいにノートに写す。それはそれで良いことなのだが、原点に戻ると話が違ってくる。

そもそも「なぜ辞書を引くのか?」ということである。教室で、生徒たちに尋ねてみると「わからない言葉を理解するため」「言葉の知識を増やしていくため」となかなかに賢い答えが返ってきた。

ではここで「つっこみ」(※吾輩の授業では「つっこみ」が多く飛び交う。「なぜ・いつ・だれ・どこ・どんな・なに・なんのため」などなどしつこく尋ねていくのである)をいれてみよう。

「わからない言葉があるとなぜ困るの?」
「言葉の知識を増やしておくとどんないいことがあるの?」
つまり、言葉の意味を調べることは、「調べる」だけで終わってはいけないのである。もちろん、「語句意味調べ」などという宿題の作業として終わることなど言語道断である。その目的は「文章として書かれている内容を理解して、筆者の意図を理解すること」なのである。

よって、以下の手順が必要となる。

ことちかルール
語句の意味を調べる場合の鉄則
  国語辞典を使う習慣をつけよう。
  ①調べている語句の説明を一読する。
  ※電子辞書にはない利点。対義語・類義語・用例に
   目を通す。
  ②基本的な言葉の意味をおさえる。
  ※目安としては、小学校4~5年生にわかるように
   自分なりにまとめる。
  ③文章中においてその語句が使われている箇所を平
   易な表現に言い換える。

まだまだ、始まったばかりでおぼつかない面も多いが、中学1年生たち全員と「言葉の力」をつけるために頑張っていきたい。

本日はここまで!

招き猫先生の『ことちか日記』H27 4/18

長崎日大の新学期一週間が過ぎようとしている。中高の新入生諸君お疲れ様である。思えば、吾輩も30数年前、長崎日大の新入生だった。当時の長崎日大は1学年15クラス(普通科10、経営科2、産業デザインと服飾デザインのデザイン科が2、女子だけの秘書科1)で、しかも1クラスが50名以上いた。全校で2400名以上の時代であった。あれから30数年、平成30年(2018年)問題などという言葉が叫ばれている昨今であるが、深刻化する15歳人口の減少が社会問題となる現在でも県内最大級の生徒数ではあるが、あの頃と比較すると「今は昔」という感じがする。

さて、当時と大きく異なるのは「中学校」の存在である。創立25周年となる今年、中学校在籍者数は過去最大の241名である。高校の中高一貫六年制コースまで含めると校内においてかなりの勢力となり、近隣の中学校と比べても中規模校くらいにはなれたのかなと思う。

思えば、ちょうど20年前、吾輩は、高校2年生になった長崎日大中学校の1期生の担任を持った。今も彼らとのクラス写真を机に飾っている。懐かしい。日大中の存在を世の中に知らしめようと生徒・保護者・教職員一丸となって頑張った結果、東大・京大・一橋・九大・広大・熊大・長大・国立の医学部医学科・私大の医・歯・薬・獣医学科や早・慶・上智など華々しい結果を出すことができた。

あれから四半世紀が過ぎ、世の趨勢も大きく変化した。当時「中高一貫」などという言葉も聞かれず、一部の超難関大学を目指す私立の進学校のイメージしかなかった「中高一貫校」がものすごい勢いで増加してきたのである。都立の中高一貫校に始まり、地方へもその波は広がり、長崎東、佐世保北、諫早高校に県立中学校が誕生したのは本校の生徒募集にも大きく影響した。

当初は「生徒が集まらないのでは」という危惧もあったが、結果はその逆であった。20数年間平均30名の2クラス体制だった日大中が80名を超える生徒数となり、今年度は92名3クラスという新時代に突入したのである。ki tai siteruyo

時は流れ、人は変われど、変わりたくないことがある。それは「長崎日大中学校は多種多様な輝く個性を持つ生徒の集合体である」という点だ。もちろんこれは長崎日大高校のスタイルでもある。一部の限られたスタイルの生徒集団を吾輩たちは求めていないのである。当然、学業には打ち込まなければならない。どんな生き方を求めようが、「学ぶ(学習習慣・学習経験)」という取り組みは人生を輝いて生きるためには不可欠なものであるからだ。しかし、それと同様に「それ以外の大切なもの」も身につけていって欲しいのである。

 

先般の日大中新1年生のスプリングスクールで、以下の内容を生徒たちに示した。

Aの集団
 全員が、
 自分と同じ性格
 同じ考え方
 好みもよく似ている集団

本当にあるのかな?
人間はみんな違う!

Bの集団
 自分と似ているところもあれば、
   全然違うところもある、
 色々な性格や考え方など
 豊かな個性が集まった集団

どちらの環境の方が人間として
成長できるんだろう?

日大中はどっちかな?
長崎日大高校は?
大学生になったら?
社会人になって就職したら?
日本の世の中はどっちかな?
国際社会はどっちかな?

みんな、答えはわかっているはず!
難しいこともわかっているはず!

その問題点は何かな?
何が大切かな? 何が必要かな?
考えてみよう!

機会があれば、この時、生徒たちが出した答えを機会があればお見せしたいものだ。素晴らしいコメントが多く見られた。

 

最後に、前述した長崎日大中学校1期生で、東京大学に現役合格した生徒(Kくん)のエピソードを紹介しよう。

高校3年生の受験当時、1月のセンター試験を過ぎ、2月の二次個別入試が実施された頃のことだ。東京大学本郷キャンパスでの受験を終え、帰崎した
Kくんが最初に発した言葉は、
「他のみんなはどうだったかな? 
         無事に受験できたかな?」
というセリフだったそうだ。自分の出来不出来や合格・不合格に絡む言葉ではなかった。

吾輩はそのような生徒を育てたい。
自慢ではないが(いや、自慢であるが)今も尚、日大中の生徒たちの中にはそのような心根の持ち主がたくさん存在している。
本日は授業がなかったので、通常とは異なり、語ってしまった。
たまにこんな内容も掲載する。ご容赦されたし!

招き猫先生の『ことちか日記』H27 4/17

tsunahiki

中学1年生たちの奮闘が続いている。疲れているだろうなと心配していると昼休みなどは大声ではしゃぎながら遊んでいる。今日も昼休みに彼らの笑顔を眺めていた吾輩である。「大切なことは色々あるけど、何よりもその笑顔と元気を大切にしておくれ」と願ってしまう。

さて、授業は宮沢賢治の『注文の多い料理店』の文章を使っての、基本講座を始めた。教科書にはまだ入らない。いくつかの小学校の教科書にも収録されており、中1のみんなも半数くらいは読んだことがあるということだ。ちょうどいい。日本語の特徴や主語・述語の確認、国語辞典の使い方、記述問題の答え方などなど、慌てずに確実に押さえていきたい。

すべてをお話しするのは難しいが、
授業の一コマを再現してみよう。

 

ぼくは 将来 医者に なりたい。

吾輩 この文の主語と述語は?
生徒 主語は「ぼくは」で、えーっと、述語は「なりたい」です。
吾輩 今、述語を答えるとき、少し迷ったよね。それはなぜかな?
生徒 「なりたい」だと思ったんですけど、「ぼくはなりたい」だ
   ったら少し変かなと思って迷いました。
吾輩 そうだよね。「ぼくはなりたい」では言葉が足りないよね。
       このように、日本語の文は主語と述語だけでは、うまく表現
   できないことが多いんだ。それから世界の言語の中で「主語」
   をこれだけ省略する言語も日本語の他にはないんだよ。
       私たちが言葉をうまく使ったり、読み取ったりするためには、
   修飾語を使ったり、抜けている主語を自分で補ったりして読
   み進めることが大事なんだ。
生徒 では先生、どんな感じで加えていけばいいんですか?
吾輩 それでは、今から私の言うことに一つ一つ答えてみて。
   もちろん本当のことでなくていいよ。自分で考えて答えを創
   ってみてね。
吾輩  「ぼくはなりたい」とあるが
    あなたは何になりたいの?
生徒  ぼくは医者になりたいと思います。
吾輩  そうそうそんな感じでいいよ。
    では次に、どんな医者になりたいの?
生徒 すごい医者になりたいです。
吾輩  あなたの思う「すごい医者」ってどんな医者なの?
生徒 どんな病気でも治せる医者です。
吾輩  いつ医者になりたいと思ったの?
生徒 小学校5年生の時です。
吾輩  その頃何があったの?
生徒 病気になって入院しました。
吾輩  入院してどうだった?
生徒 担当のお医者さんがすごくいい先生で優しくしてくれまし
   た。病気も治してくれました。
吾輩  それまではどうだったの?
生徒 何か人の役に立つ仕事をしたいとは思ってたけど、医者にな
   ることを考えてはいませんでした。
吾輩  将来、医者になるためには何が必要だと思う?
生徒 医学部に行かなければならないからやっぱりすごく勉強する
   ことです。
吾輩  それだけでいいかな?
生徒 あと、勉強ができるだけじゃなくて人間性とかも必要です。
吾輩  どんな人間性?
生徒 優しさとか正義感とか、責任感とかです。
吾輩  そうだね。あとはもういいかな?
生徒 あと、自分自身が健康じゃなきゃいけないと思います。

吾輩 ここまでの私とのやりとりをまとめると、君は「私が考える
   自分の将来」という作文がとても上手に書けるんだよ。
   たとえば、こんな感じで

 ぼくは、将来どんな病気でも治せるすごい医者になりたいと思う。ぼくは小学校5年生の時に、優しくて親切なお医者さんに病気を治してもらう経験をした。それまでは、何か人の役に立つ仕事をしたいとは思ってたけど、医者になることを考えてはいなかった。ぼくはその時以来、医者になることを目指すようになった。
 医者になるためには大学の医学部に進学できる学力を身につけなければならない。一生懸命に頑張って勉強していくことが必要だ。しかし、勉強ができるだけでは十分とは言えない。人に対する優しさ、正義感、責任感という人間性を備えること、心身ともに健康な状態であることなど、やらなければいけないことはかなり多い。
 ぼくは、小学校5年生の時に出会った素晴らしい先生のような医者になるためにこれからの中学校生活で、勉強や部活動に励み、自分を成長させていきたいと思う。  

吾輩 これはまだ細かく組み立てていないけど、私と君のやりとり
   をある程度並べてつないだものだよ。
       たったこれだけで原稿用紙1枚以上の文章が簡単に書けてし
   まうんだよ。
生徒 作文苦手だったけど、これなら書けるような気がします。

 

まあ、ここまですんなりとはなかなかいかないが、生徒たちと一緒に取り組んでいきたいなと思うのである。

本日はここまで!

招き猫先生の『ことちか日記』H27 4/16

kodsuchiいよいよ中一の授業が始まった。みんなはりきって教科書・ノート・辞書・漢字のテキストなどなど、準備してくれていたが、まだまだ、その前に……、やるべきことがある!

自慢ではないが、吾輩が住み着いている長崎日大の国語科の教員(今後、列伝として紹介していくつもりである)には強者が揃っている。極端に言えば、通常の授業を当たり前に消化していけば、まちがいなく「国語の成績は向上する」、つまり、入試国語に対しての心配は要らないのだ。

しかし、吾輩が進めていきたい「ことちかプロジェクト」はそれだけで満足しない取り組みなのである。国語の大学受験得点能力を伸長していくことは当然のことであり、総合的な人間力を向上させる、生徒たちの人生を豊かに、生き方を鮮やかにしていくチャレンジなのである。

とはいえ、いきなり難しいことや斬新なことを始めるつもりはさらさらない。長崎日大中高一貫コースの絶対的なリーダーである今井愼一郎先生の好む言葉である「平凡を繰り返すと非凡になる」という言葉がある。吾輩はそれを「平凡なことを目的意識を持って継続し、徹底することで非凡になる」とアレンジしたい。

たとえば、
最強の国語力をつけるためには
   ①文章をよく読むこと
    効果的な音読・文章・問い・選択肢に足跡を残す習慣
   ②語彙(言葉の知識)力を増やすこと
    新知識は使うことで身につく「使うことで記憶が定着する」
   ③主語と述語を見つけること
    ※ここが最初のポイントになる!※できれば6W1Hの意識を!
   ④指示語に敏感になること
    常に、指示内容を確認しつつ、読み進める ザックリOK
   ⑤接続語を意識すること
     接続語を制する者、文章読解を制す

以上は、吾輩が中学生・高校生をはじめあらゆる受験生に対して国語の指導をするときに徹底する事項である。これだけではなかなか理解できないだろうが、これを嫌という程、徹底するのである。これは少々気の利いた参考書・問題集の類であれば、よく耳にするフレーズである。しかし、常に徹底して実行している指導者も受験生もほとんど存在しないのである。
学問に王道無し、受験にマジック無しである。

本日はここまで!

招き猫先生の『ことちか日記』H27 4/15

吾輩は長崎日大に30年間住み着いている猫である。
猫と言ってもただの猫ではない。
長崎日大の生徒に幸運を招く猫である。
また、時々、国語の授業などもやっている。

以下は、ことちかプロジェクトのスタートに掲げた文章の一部である。よかったら、ご一読いただきたい。

 

長崎日本大学中学校一年生 
ことちかプロジェクト

 言葉は感情的で、残酷で、ときに無力だ。
 それでも私たちは信じている、
 言葉のチカラを

 言葉に救われた。
 言葉に背中を押された。
 言葉に涙を流した。
 言葉は、人を動かす。

 私たちは信じている、言葉のチカラを。
                         朝日新聞「ジャーナリスト宣言」より

 言葉は、時として人を救い、人を傷つける。自分の発した言葉がどのように受け取られるのかを責任を持って考えなければならない。
 言葉は美しく、醜く、面白く、不快で、不思議で、恐ろしい。しかし、驚異的に素晴らしい。
 これから、学んでいこう。身につけていこう。磨き上げていこう。言葉を読む力、聴く力、話す力、書く力を。
 言葉の力を身につけることは、人生を輝いて生きていくために、何よりも必要なことだ。

 言葉の力は輝いて生きるための力